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PADIのフリーダイビングプログラムとは

スキューバなどでも安全に海を楽しむためにライセンスを提供しているPADIの、フリーダイビング用プログラムです。スキューバ同様に、知識やスキルを習得することを目的としています。

フリーダイビングプログラムの種類

PADIのフリーダイビングプログラムには、3つの種類があります。最も初級者向けのPADI フリーダイバー・コース、中級者向けのPADI アドバンスド・フリーダイバー・コース、最上級向けのPADIマスター・フリーダイバー・コースです。

各コース、座学などで知識をえるカリキュラムとスキルを磨く実践があります。この知識とスキル両方がないと、ライセンスを得ることができないのが特徴的です。スキルについて

フリーダイビングでは、代表的な3つの競技をスキルとして学びます。スキルについては、各コースに所定の条件があり、その条件を超えないとライセンスが発行されません。その競技とは以下の3つです。

事項では、各コースの条件を紹介したいと思います。

各コースの条件

ここでは、各コースの条件を紹介したいと思います。この条件を上回るタイムや距離をコース中に出さないとライセンスが発行されません。ただし、できなかった項目だけを再受講して合格することでライセンスの発行は可能なようです。

PADI フリーダイバー・コース

  • スタティック・アプネア:1分30秒以上
  • ダイナミック・アプネア:25メートル以上
  • コンスタント・ウェイト・フリーダイブ:10メートル以上

PADI アドバンスド・フリーダイバー・コース

  • スタティック・アプネア:2分30秒以上
  • ダイナミック・アプネア:50メートル以上
  • コンスタント・ウェイト・フリーダイブ:20メートル以上

PADIマスター・フリーダイバー・コース

  • スタティック・アプネア:3分30秒以上
  • ダイナミック・アプネア:70メートル以上
  • コンスタント・ウェイト・フリーダイブ:3227メートル以上

フリーダイビングのトレーニング

[各コース所定の条件をクリアしないとライセンスは発行されませんが、始めはできなくてもトレーニングをすることで時間や距離を伸ばすことは可能です。現在できないからと行って諦めずに、受講後にトレーニングをしてライセンス取得を目指しましょう。

その他フリーダイビングに関する記事について

初めてフリーダイビングという言葉を調べている方には、こちらのフリーダイビングとはをご覧いただければと思います。

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ダイナミック・アプネア

ダイナミック・アプネア・ウィズフィン

ウィズフィンとあるようにダイナミック・アプネア・ウィズフィンは、フィンを付けた状態で水平移動の距離を競う競技です。略称はDYNで、DynamicからDYNをとっています。Staticの場合は、アプネアからAを撮っていたのに対し、ダイナミックの場合は、アプネアからのAがつかずDYNです。Staticが静的なのに対して、Dynamicの意味は動的です。

ダイナミック・アプネア・ウィズアウトフィン

ウィズアウトフィンとあるようにダイナミック・アプネア・ウィズアウトフィンは、フィンを付けない状態で水平移動の距離を競う競技です。ウィズアウトフィンの略称はDNFです。

自分の潜水時間を把握できるダイナミック・アプネア

ダイナミック・アプネアは、スタティックと異なり泳ぎながら距離を競う競技です。ただし、海洋などの危険な水域ではなく、プールなどの水面が安定した限定海域で競技を行います。

水平移動やターンなどがあり、水深も1.5mぐらいのプールでは水圧もあまり感じません。それでも、多くのフリーダイバーがこの競技にチャレンジするのには理由があります。それは自分の潜水時間を把握できるということです。海洋などで深度を競うコンスタントなどでは、潜ったあとに海面まで戻ってくる必要があり、海中に降下するよりも海面に上昇するほうが酸素を必要とします。そのため、活動限界時間の半分より先に挑戦したい深度に到達している必要があります。

ダイナミック・アプネアではこの自分の活動限界時間や距離の目安を知ることができるということです。

ダイナミック・アプネアの記録

フリーダイビングの競技は、年齢・体重などは関係ありませんが、性別では分かれてレコードを保持しています。ここでは、世界記録と日本人の記録に分けて紹介をしていきたいと思います。

ダイナミック・アプネア With fins (DYN)の世界記録

ダイナミック・アプネアWith fins (DYN)の世界記録は、以下の様になっています。

  • 男子/Mateusz MALINA (Poland)、Giorgos PANAGIOTAKIS (Greece) 2016/7/3:300m
  • 女子/Natalia MOLCHANOVA (RUS) 2014/9/26:237m

女子のNatalia氏はスタティックでも世界記録を持っている方です。

ダイナミック・アプネア Without fins (DNF)の世界記録

ダイナミック・アプネア Without fins (DNF)の世界記録は、以下の様になっています。

  • 男子/Mateusz MALINA (POL) 2016/7/2:226m
  • 女子/Magdalena SOLICH-TALANDA (Poland) 2017/7/1:191m

ダイナミック・アプネア With fins (DYN)の日本記録

  • 男子/大井 慎也 2016/12/10:221m
  • 女子/廣瀬 花子 2016/09/24:197m

ダイナミック・アプネア Without fins (DNF)の日本記録

  • 男子/大井 慎也 2018/02/25:161m
  • 女子/濱崎 友美 2016/07/02:160m

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スタティック・アプネアとは

スタティック・アプネアとは、フリーダイビングの競技の1つで、呼吸を止め、プールなどの流れがない水面に浮き、呼吸を止めている時間を競う競技です。略称はSTAで、StaticからST、ApneaからAをとっています。Staticは、静的という意味です。

全てに通じるスタティック・アプネア

単純に水面に浮かび浮いているだけなので、競技内容は非常に地味です。しかし、このスタティック・アプネアの息を止めるという単純な行為は、すべてのフリーダイビング競技に必要最低限の要素でもあります。そのため、単純なゆえに奥が深い競技となっています。

スタティック・アプネアのやり方

スタティック・アプネアは、写真のようにバディと2人人組になって行います。これは、安全の確保とタイムを測るためです。それでは、スタティック・アプネアのやり方について順を追って説明をしたいと思います。

事前準備

バディと競技の前にいくつかの取り決めを行います。取り決めを行う項目は、「何秒または何分たったら合図をするか」ということと競技者が失神などをしてない証として「どのようなサインをバディに返すか」ということがメインとなります。

「何秒または何分たったら合図をするか」については、人によってやりやすい方法を選べることができます。例えば、3分までは30秒おきに、3分たったら、15秒おきに合図をしてもらう方法や、最初から最後まで1度を合図しないという方法を選ぶ人もいます。

最も多い方法は、最初のうちはできるだけ長い間隔で、自分の目指すタイムに近づいてきたら細かく合図をして貰う方法です。限界まで近づいたときに、合図が細かくなると、「次の合図まで」など目標を細かく設定できるためだと思われます。

息を整える

事前準備が終わったら、競技開始前に呼吸を整えます。一般的にはブリースアップ(準備呼吸)と呼ばれ、競技開始前に呼吸を整えることで、心拍数と脳など酸素を使う部位を落ち着かせ、できるだけ酸素を使わないリラックスした状態に持っていきいます。

最後の一呼吸と競技の開始

ブリースアップで呼吸と体を整えたら、最後の一呼吸をし水面に顔をつけ、競技を開始します。競技の開始タイミングは、競技者のタイミングに合わせて始めることができます。競技者が水面に顔をつけたら、バディはストップウォッチを使いタイムを測り始めます。

競技中

競技中は、事前準備で決めた内容で、バディが競技者へ何秒または何分か後に合図を送ります。合図は、体の一部を優しく触るなどできるだけ競技者の邪魔にならないように行うことが通常です。バディからの合図を受け取ったら、競技者はバディにブラックアウトなどをしていない証に合図を返します。この時の合図も極力酸素を使わないように指を少し動かすなどが主流になっています。

競技中の競技者は、できるだけリラックスした状態でいることを心がけます。リラックスしている状態は体の酸素消費量が少なくなるため、競技のタイムが伸びやすくなります。特に注意が必要なのは、肩周りの緊張と脳の思考です。脳の思考については、最も酸素消費が多いため、複雑なもの、複数のことを考えるとタイムが極端に短くなってしまいます。何も考えない瞑想の状態が最も好ましいですが、何かを考えてしまう場合は、一つの単純なことだけを考えるようにすると酸素消費量は少なくなります。

人によってどのような方法がリラックスしてタイムが伸びるのかは異なるため、自分にあったやり方を見つけるようにしましょう。

競技の終了

競技の終了と同時に気をつけないといけないことは呼吸です。限界まで酸素がない状態で活動をしていたため、リカバリーするための呼吸をゆっくりしっかりと行う必要があります。

フリーダイビングの競技は全て息を止めて行われるため、間違ったやり方をすると死の危険が高まります。そのため、各レコードは、限界値まで行ってしまった人の記録は危険とみなされるようになっています。具体的には水面上昇後、「I’m OK」と言い、目の充血など体の極端な変調をきたしていない場合のみ記録として扱われます。

スタティック・アプネアも同様のため、競技終了時は、とびきりの笑顔で「I’m OK」と言いましょう。

スタティック・アプネアの記録

フリーダイビングの競技は、年齢・体重などは関係ありませんが、性別では分かれてレコードを保持しています。ここでは、世界記録と日本人の記録に分けて紹介をしていきたいと思います。

スタティック・アプネアの世界記録

スタティック・アプネアの世界記録は、以下の様になっています。

  • 男子/Stéphane MIFSUD (FRA) 2009/6/8:11分 35秒
  • 女子/Natalia MOLCHANOVA (RUS) 2013/6/29:9分 02秒

男子では、フランスのStéphane氏が2009年に打ち立てた11分35秒が最長記録となっています。女子では、ロシアのNatalia氏が2013年に打ち立てた9分02秒が最長となっています。フリーダイビングの泳ぐ競技については、世界記録が機材の高度化やスキルの確率によって年々伸びる傾向にありますが、単純な息止めであるスタティック・アプネアでは、男子では10年近く記録が破られていないことになります。

また、ニュースなどで、11分を超える時間を見たことがある方もいると思いますが、それらは、「スタティック・アプネア」とは認められない内容のものであると思われます。例えば、マジシャン、デビッド・ブレイン氏の17分間は、水中に潜る前に、人口呼吸器を通して酸素を思いっきり吸って全身を酸素で満たしたりしているため、競技とは異なるためです。

スタティック・アプネアの日本記録

  • 男子/関谷 陽介さん 2013/06/29:7分51秒
  • 女子/廣瀬 花子さん 2016/02/11:7分3秒

日本人の方でも7分台までレコードを持っていらっしゃるかたがいます。毎日のトレーニングで7分までは難しいですが、少しでも自分の記録を伸ばしていきたいものです。

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やってはいけないハイパーベンチレーション

ハハイパーベンチレーションとは、呼吸法の一つで、過呼吸を強制的に引き起こす方法です。スキンダイビングの場合、長く潜るためのテクニックと紹介されている場合があります。wikipediaでも以下のように紹介がされています。

主に、スキンダイビングで潜水の直前に行う、息を長く堪えるための呼吸法。この方法を行うことによって、より深い深度に潜水が可能である。wikipedia

しかし、このハイパーベンチレーションは、かなり危険な呼吸法のため、フリーダイビングでは絶対に使わないほうがよい呼吸法です。このページでは、なぜハイパーベンチレーションを使わないほうが良いのかを解説します。

ハイパーベンチレーションを行う方法とメリット

ハイパーベンチレーションを行う方法は、深く早い深呼吸を繰り返すだけです。簡単に行うことができますが、これによって何が変わるのでしょうか。このメリットを解説する前に、人間の呼吸のメカニズムについて、理解を深めたいと思います。

苦しいと感じるのは酸素不足?

水中や陸上でも、息を止めると苦しいと感じます。これは、酸素が不足したため、苦しいと感じるのでしょうか。

答えは、酸素の不足ではなく、体内の二酸化炭素量の増加に伴い、脳が「二酸化炭素を出せ」と命令します。この命令が強くなれば強くなるほど、体内の二酸化炭素量が多くなればなるほど、息をしたい衝動を感じ、息苦しいと感じます。

ハイパーベンチレーションは長く息が続く?

ここでハイパーベンチレーションの話に戻ります。人が吸う空気の量は変わらないのに、なぜ呼吸法を変えただけで息が長く続くのでしょうか。

通常の呼吸では全ての息を吐ききっても全ての二酸化炭素が体内から排出される訳ではありません。多少の二酸化炭素は残ってしまうのです。しかし、ハイパーベンチレーションを行うと、体内の二酸化炭素が通常より多く排出されます。そのため、通常時よりも脳が「二酸化炭素を出せ」と命令するタイミングが遅くなるため、長く息が止められると勘違いしてしまうのです。

ハイパーベンチレーションを行うデメリット

先程の解説であれ!?と疑問に思った方もいるかも知れませんが、ハイパーベンチレーションを行うことで得られる結果は脳が「二酸化炭素を出せ」という命令をだすことを遅らせるだけです。そのため、人が活動する上で必要な酸素の量には何ら影響をしていません。

つまり、脳みそを騙して命令を遅らせているだけで、人体に必要な酸素の量は変わっていないのです。そのため、水中に滞在していられる酸素量=最大時間は変わりないのですが、脳からの伝令だけ遅れて来るため、酸素不足に陥りブラックアウトする可能性が高まるのです。

フリーダイビングでは絶対に使わない

水泳のように浅瀬の活動やすぐに空気を吸える水深の場合、地上での活動ではハイパーベンチレーションを利用して長く息を続かせることは有効かもしれません。しかし、ことフリーダイビングについては、ハイパーベンチレーションを絶対に使うべきではありません。

脳みそを騙しているだけの呼吸法のため、フリーダイビングのように深い深度で活動する場合は、「苦しくないからまだ大丈夫」と自分自身も勘違いをしてしまい、苦しいと感じたときには、既に体内の酸素がほぼ無い状態ということもありえます。

ブラックアウトの可能性を高め、バディや周りの人に迷惑をかけてしまいますので、ハイパーベンチレーションは行わないようにしましょう。